研究の概要

ディジタル技術の普及によって,様々な情報(音楽,映像,地図など)がディジタル化され,マルチメディア技術によって,統一的に取り扱われています.皆さんが「いつでも,どこでも,誰とでも,どんな情報にでも」アクセスできるユビキタス情報社会の実現に向けて,ディジタル情報を「高速に,正しく,安全に,安価に」伝送する技術の開発が進められています.通信伝送工学研究室では,情報信号を高速に,正しく伝えるための技術を幅広く研究し,特に,次の技術に対する新しい手法の考案,既存手法の改善,性能評価に取り組んでいます.

★無線通信ネットワーク,無線LAN(Wi-Fi),アドホック・ネットワーク,センサーネットワーク,IoT(Internet of Things)など

誤り訂正符号

"0" または "1" の系列として伝送されるディジタル情報は,雑音などの原因によって,誤って("0" と "1" が逆になって)伝わることがあります.誤り訂正符号を使うことで,これらの誤りを正しい情報に復元することができます.

★CD,DVD,ハードディスク,メモリー,無線LAN,携帯電話システム,ディジタル放送などに使われている技術です.

再送制御方式

誤り訂正符号を使っても正しい情報を復元できなかったときは,どうしたらよいでしょうか.もう一度,情報信号を伝送しなおしてもらえば良いですね.このとき,できるだけ早く,できるだけ効率よく伝送しなおすことが必要です.

★インターネット,無線LAN,携帯電話システムなどに使われている技術です.

ランダムアクセス方式

複数の送信者が同時に情報信号を発信すると,信号が衝突してしまい,正しく受信できなくなります.このため,複数の送信者がいる場合に,できるだけ効率よく情報を伝送する仕組みが必要です.

★LAN,無線LAN,携帯電話システム,衛星通信システムなどに使われている技術です.

アドホック・ネットワーク技術

アドホック・ネットワークでは,端末が互いに直接,または他の端末を経由して通信を行うことができます.つまり, 基地局やアクセスポイントが必要なく,M2M(Machine-to-Machine),IoT (Internet of Things)などの新しいネットワーク形態として注目されています.

★携帯ゲーム機の通信対戦やすれ違い通信などに使われています.また,被災地での一時的な無線ネットワークの形成や,センサ機能を持つ無線端末をばら撒き情報を収集するセンサーネットワークでの利用が考えられています.


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